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昌子


■「昌子」その1

最近は非モテとやらが日記サイトに増殖してるが、
俺はあいつらとは違う、モテ人生まっしぐらだ。
なんていうか、ウハウハでワハワハだ。さらにはチカチカだ。
そう、チカチカ・・・・くそっ、ピカチューめ。
いい歳こいてポケモンなんて見たばっかりに・・・!!


で、俺は今から2人目の彼女の家に行ってくる。
一人目の彼女ジャナはブラジルのサンパウロに住んでたから
交通面では非常に辛かった、遠すぎだっつの。
後、ジャナの家族に仕送りとかさせられた。
なんだか家計が火のダルマらしい。
間違ってるよジャナ・・正しくは火のポリマーだってば。
本当バカな女だよ、まったく。

その点、あの人は頭はいいし、近場に住んでるし、
お金も持ってるからな。こっちは凄い楽だよ。

やっぱ遠距離恋愛はダメ、あーいうのは長く続かないよな。
近くに居てくれる存在の方が俺には合ってる気がするんだ。
そう、そんな女神のような存在。俺を優しく包んでくれる・・
そういう彼女が俺は欲しかったんだ。まさに理想の女!
いやーあの人を選んで本当によかった!最高!
今俺、最高にフレッシュしてる!フレッシュ、フレーーッシュ!

おっと時間だ、ちょっと話しが長くなりすぎたかな。
それじゃあそろそろ行ってくる!またな!

今すぐ行くよ昌子ー!(御年60歳)



■「昌子」その2 御年60歳という高齢者を彼女にしたのが間違いだったのか、 昨日行ったデートは本当悲惨だった。 ここに来て年齢差が体力の違いという形で浮き彫りになったんだと思う。 「金沢ひゃん・・ひょっとひょこらに腰でも掛けんかにぇ・・」 ってな、少し歩いただけですぐ休憩。 さっきから前に進んでないよ。ちょっとはやる気だそうぜ。 このままじゃ一生かかっても目的地に辿りつけないぞ。 でさ、昌子さ、お前、歯・・無いよな。 俺の気のせいじゃなかったら、確実に歯茎が剥き出しだよな。 せめてさ、入れ歯くらいしてくれよ。切実に頼むよ。 俺は言葉の50%くらいしか理解できないこの事実を受け止めきれないぞ。 50%ってお前、それなら留学したての外国人の方がまだ会話できるって。 で、昨日のデートで新事実発覚だよ。 なんと昌子の実年齢は81歳。 なんだよそれ、よりにもよって年齢詐称かよ。 20歳以上もサバよみって・・ 昌子・・なんでそんな嘘を付くんだよ・・ 俺達、恋人同士じゃなかったのか? 本当のことも言い合えない、そんな仲になっちまったのかよ・・ 「金沢ひゃん・・わたしゃ本当に60歳でひゅよ・・」 いやお前保険証に大正14年生まれって書いてあったじゃん。 なんだよ大正14年って、そんな単位見たことねーよ。 俺はあれか、お前と戦時中のお米の貴重さについて熱く語ればいいのかよ。 「金沢ひゃん・・おにゃかが減りまひたねぇ・・」 おいこら、飯はさっき食べただろ。10分くらい前に店出ただろって あれ、もしかして昌子ボケてる??アルツハイマーってやつ?? これってデートだよね。間違っても老人介護じゃないよね。 先行きが不安だよ・・
■「昌子」その3 正直もう昌子はどうかと思う。 年齢詐称、体力不足、その他色々不満はあるが、 一番の問題は、デートが老人介護へと姿を変えていることだ。 「金沢ひゃん・・わたしゃ、もうこの世に悔いはんてなひんでふよ・・」 え、お前デート中になんて不吉なことを・・ どうした、そろそろ寿命尽きそうなのか。っていや、おい。 違うだろ、残された恋人はどうなるんだ!俺のことは・・! 「・・死んだおじいちゃんは・・今はなにしてまふかねー・・・」 えええええええ!!!?昌子結婚してたの!? 正直ちょっぴり予想ついてたけど、お前・・ 「金沢ひゃん・・お腹が減りまひたねー・・・」 だからさっき食べたってば! 「金沢ひゃんの顔を見てるふぉ、孫の顔をおもふぃだしまふよ・・」 孫・・いるんだ・・ 「子も孫もみんな独り立ちしてひまいまひてにぇ。寂しい暮らしでふよ・・」 ま、昌子・・・ 「おじいふぁんも死んでしまったひ、もう余生は十分楽ひみまひた・・」 ま・・昌子・・・昌子!お前がそんなに思いつめてたなんて知らなかったよ。 そうだよな、文句ばっかりじゃなくて、 俺がちゃんとお前をひっぱっていかないと。 俺達の人生はまだゴールじゃない、これからがスタートなんだよな。 昌子・・お、俺な!あのs「金沢ひゃん腹減った!飯!」 そんなに飯が好きか。
■「昌子」番外編 昌子とは別れた。 そもそもストライクゾーンが広すぎた。 いくらなんでも限界ってもんがあると思った。 審判団のミスジャッジかと思った。 でも違った、単純に俺の選択ミスだった。 ミスにも程があるということを学んだ。 おかしい・・俺はモテなはずだ・・なぜこんな事に・・ いや、考えても仕方ない、自分に自信を持とう。そう、俺はモテ。 正直非モテとか言ってる奴らには悪いが、 彼女なんて次から次へとポンポンできる。トントン拍子だ。 日本に初上陸したパンダはランランだし、 なによりキョンキョンが大好きなんだってことと、一緒なんだと思う。 でな、まずは出会いだ。出会いがなきゃ恋愛になんて発展しない。 そう思い、俺は街へと足を運んだ。 到着して街中をぐるりと一周。これで終わり。 だってもう、獲物はかかったも同然なんだから。 狙いは逆ナンパだよ逆ナンパ、略して逆ナン。そしてレイ・ベンパーだ。 「あのーすいません」 ほーらな、これだよ。もうゲットだぜ。 本当歩くラブマシーンだよ俺は。 この子はあれか、俺に一目惚れって口か。 もうわかってるよ・・まず今日は二人の生い立ちについて話し合おう。 なーに、将来のことはこれからでいいさ。 子供を何人生むかなんて、そんな事は後で考えればいいじゃない。 きっと君のお母さんが重い病気にかかってたり、 お父さんが重度のアルコール中毒で どうしようもないダメ親父だったりするんだろうけど。 愛に障害はつきものさ!そんな事気にしちゃいけない! 俺が、俺がついてるから!さぁ、君の気持ちを言ってごらん! 「ちょっと道をお尋ねしたいんですけど」 「はい、これから始まる二人のロード・オブ・ラブのことについてですね」 「いえ、違います。この近くにある郵便局についてです」 「郵便局はそこを曲がって右・・ですけども・・」 「そうですか、どうもご親切にありがとうございます」 行っちゃったよ。
■「昌子」番外編2 今日はホワイトデー。 このイベントを黙って見過ごして、モテを語ろうなどと思ってはいない。 しかしだ、実は今周りに女がいないのだ。これは大問題。 ちょっと最近オチャメな失敗が多すぎて・・迂闊だった。 だが繋がりがある女がいないからと言って、ここで諦めちゃ男が廃る。 というかすでにちょっと廃ってる感が否めないけども。 い、いや、プラス思考プラス思考!もっと自分に自信を持って!! で、俺は元カノである美紗子の家を訪ねることにした。 決意をしたらすぐ行動。ってな訳ですぐさま家を出た・・・ そして美紗子の家へ到着。 懐かしい外観だ、昔の楽しかった思い出が蘇る。 思い出に浸りながらインターホンを鳴らすと、 すぐに美紗子が出てきてくれた。 驚いた顔をしている美紗子に、俺はサッとプレゼントを渡した。 「美紗子、今日ホワイトデーだからさ。これ、お前に・・」 するとなぜか美紗子は下を向いたまま、なにやら気まずそうな顔をしている。 おかしいな、ここは喜ぶところだと思ったんだが・・ 疑問を抱いてると、何やら奥から大柄な男が出てきた。 「ヘイメン!人ノ女ニ手ヲ出ダシチャイケネエヨ!」 なんだこのイカツイ黒人は。なぜ美紗子の家に・・ よく状況はわからないが、俺はその黒人に全力で言ってやった。 「おいこらお前!えーと、なんだ、その、肌とか黒いんだよ!バーカ!」 するとそれを聞いた美紗子が口を開いた。 「ごめんなさい、金沢さん・・わたし、ボビーのことが好きなの!」 え・・わたし、ポパイとかがズッキンなの? 何を言ってるんだこいつは。 ポパイはズッキンなんかじゃない。むしろムッチリだ。 まったく、意味のわからん女だ。 俺はその言葉で酷く気分を悪くして帰ってしまった。 しかし家に着き少し落ち着くと、ふと我に返えった。 正気に戻った心は後悔の気持ちでいっぱいだった。 俺は今の気持ちをどうしても抑えられなくなり、 手紙という形で気持ちを伝えることにした。 そしてとにかく書きなぐった。まずは気持ちを知ってもらいたかったんだ。 新しい人生をスタートさせているなんて・・そんなことはわかってる。 邪魔するつもりなんてまったくない。 例えもうやり直せなくても・・ せめて、せめて俺の考えを聞いてほしいんだ。 それで何があるってわけじゃないのはわかってる。 でも・・どうしても伝えたいんだ! 俺は何かに取り付かれたかのように、一心不乱にペンを走らせた。 -------------------------------------- さんまのからくりTV様へ。 頼むからボビーを首にしてください! --------------------------------------
■「昌子」その4 なんとなく辺りを散歩していると、ふとファミレスが目に入った。 なんだっけなーここ、見覚えがあるんだけどなー。 まあでも、別に思い出せないしいいや。 と、その場を立ち去ろうとしたところで蘇る記憶。 やっべ、ここに昌子(81歳)放置してたんだ。 あんまりにも腹が減ったとうるさかったもんだから、 ファミレスに置いてきたんだっけ。 でもほら、さすがにね、あれから結構日も経ったし、 家に帰ってるでしょ。と思いつつも店内へと入る。 ・・・いやがった。 なにやらおいしそうにシーザーサラダをむさぼってるよ。 それ確実にお年寄りの口には合わない料理だし、 昌子入れ歯だし、なによりまだ食ってたしで指摘点が満載だよ。 どうしよう、昌子・・ほっといたら一生ここに居そうだなー。 ちょっと悩みつつもとりあえず店員にチョコレートパフェを注文。 やっぱりファミレスと言えばパフェだよね!いやーおいしそう! で、昌子どうしようか。さすがにまずいよなー。 放置した俺の責任でもあるし、ここは昌子を連れて帰ったほうが・・ なんて考えていると、先ほど頼んだチョコパフェがきた。 むむむ、甘い!甘いぞ! 俺はすぐにクレームをいれた。おい!なんで甘いんだよ! こんなに甘くちゃまともに食べられんじゃないか! だいたいあれだよ、クレームて、 クリームと間違えて、至る所に撒き散らす寸前だったじゃないか! 責任とれ!俺に抱かれろ!なにぃ?それは無理だとぉ!?バカなっ!! お前はあれか、男か?いや、女だよな。 俺は金沢でお前は女、これで理由など十分だ! いいから早く来い!3番ドックで勝負だ! 「・・・わかりました、3番ドックですね。」 店員はそう言い放ってどこかへ消えてしまった。 こっちとしてはチョコパフェもおいしく頂いたし、 気合十分ってなもんさ!あーパフェうまかった。 さて、向こうがバイト終わるまでここで待つのもめんどくさいし、 先に3番ドックへ行くことにしようかな。 えーと3番ドックは確か・・あ、あれ・・ 重大な事実が発覚。何処だ3番ドックて、俺は知らんぞ。 聞いたこともない。なんだあの女、まさかバカなのか? 検討もつかない意味不明な場所を探すのもめんどくさいので、 今日は一旦家に帰り、クリームを撒き散らすところから始めようと思う。
■「昌子」その5 俺は今、ファミレスにいる。 そう、ファミレス、それは大衆の味方。 居心地も悪くない、値段もお手軽だし、味だってまあまあだ。 まさに庶民の為の店、ファミリーレストラン。 名前のとおり昼の時間帯は親子連れも中々多い。 でも俺は子供好きという、 バッチリなモテポイントを持ってるので気にしない。 微笑ましいよな、親子の会話って。 休日に家族でお出かけ。子供の楽しそうな顔。頑張ってるお父さん。 その慎ましやかな中流家庭の家族の会話、俺は大好きだ。 癒されるじゃないか、 俺も将来はこういう風になりたいなーって、そう思うよ。 でもいくらファミレスって名前でも、 親子以外の奴だって利用するんだぜ。 そう、例えば何日もの間、そこに住み続けている女とかもいるしな。 だからな、お前らも気をつけたほうがいいぞ、 そういうところに気軽に行くとデートとかさせられるぞ! 気をつけろ、ファミレスにだって危険は潜んでるんだよ! まあ、事の発端は本日の昼食時のことだ。 腹を空かせた俺が、ようやく辿りついたファミレス。 しかし店内は中々の盛況っぷりで、混雑していた。 あっちも親子、こっちも親子。 いつからここはこんなアットホームな空間になったんだ。 あー邪魔くせ。ここにいる親子みんな死なないかな。 なんて切実に願いつつも、とりあえず俺は席につきメニューを広げた そのときだ、「金沢ひゃん」という聞き覚えのある声が耳に入った。 どう考えてもあの人だとは思う、俺の推理は100%的中してるはずだと 後ろを向くと、そこにはやっぱり昌子(81歳)が居た。 「金沢ひゃん、お久ひぶりでふね」 昌子、久しぶりだな・・というかまだ居たんだ。 いい加減家に帰れよ・・死ぬぞ、寿命とかで。 しかしよくこんな長期間ファミレスにこもってられるな。 本当になんもないじゃん。ドリンクバー以外特典がないじゃん。 お前さ、結局ファミレスに居て、何をしてたんだ? 「それは、ずっと食べてまひたよ。」 いやいや、永遠食べ続けるのは不可能だろ。 それ以外の時は何をして過ごしていたんだ? 「おいしかったでふよ!」 うん、おかしいな。質問の意図が伝わってないのかな。 だから、食べてるとき意外は何をしてたのかと聞きたいんだけども。 「金沢ひゃんも食べまふ?」 わかった、もういいや。 「金沢ひゃん、明日お暇でふか?」 無理無理、明日は友達と予定があるもん。 「ほうでふか、では12時に・・」 聞けよ。 「楽ひみにしてまふね。」 いや、待って、だから予定が 「でわまたあひた・・」 ・・・・・・
■「昌子」その6 今日はデート、元カノとデート、81歳とデート(介護)。 前回が前回だっただけに、今回は不安でいっぱいだ。 あいつまともに歩けるのか。 また腹減った言うて、動かなくなるんじゃないのか。 そもそもまともな会話が成り立つのか。途中で死なないか。 そして一番心配なのはタマちゃん死亡説。 頑張れタマちゃん!僕らのアイドルタマちゃん! 多摩川にいないのにタマちゃん。 写真集も出したみたいだけど、ギャラの分配がすげぇ気になる。 でな、昌子よ。タマちゃんじゃないって。 あいつ近くで見ると地味に気持ち悪いしな。 今日は昌子とデートなのよ、その話題。 それでデートの覇者、デートマスター金沢と呼ばれた、 この俺がデートで失敗するわけにもいかない。 なのでちょっと今日の予定を立ててみた。 12時、合流〜昼食。      (まずは腹ごしらえ。) 13時、映画。         (スプラッター系。) 14時、映画。 15時、ボウリング。      (目指せスコア150!) 16時、バッティングセンター。 (目指せホームラン!) 17時、スポーツジム。     (この辺で昌子が瀕死。) 18時、スキューバダイビング。 (昌子溺死。) 19時、スカイダイビング。   (元気にジャンプ) 20時、行きつけのカフェバーへ。(おいしいお酒)  21時、「俺の瞳に乾杯」    (自分に乾杯) 殺人コース。
■「昌子」その7 「金沢ひゃん・・今までありがふぉおございまふ・・」 ど、どうした昌子・・昌子!? 俺の作ったデートコースに昌子の体は耐えることが出来なかった。 ボーリングで肩を脱臼し、 バッティングセンターではビーンボールが直撃。 そして今、昌子の肉体は限界に達していた。 「金沢ひゃん・・本当、楽ひい思い出ばかりでひたお・・」 なに言ってるんだよ昌子!死ぬなよ!死なないでくれよ! 今までお前が居てくれたから、俺はここまでやってこれたんだ! お前が死んじまったら、俺・・俺・・!! 「金沢ひゃん・・私と一緒に来てくれまふか?・・」 それは無理だ、すまん。 「しょ、しょんなこと言わずに・・・」 ダメだ、俺の未来にはまだ夢も希望もあるからな。 「そうでふか・・でわ・・そろそろ時間みたいでふ・・」 え、そんな、昌子! 「おじいさんが・・呼ん・・で・・ふ・・」 おい、昌子!戻ってこいよ!昌子!昌子ぉぉぉーーーッ!! 「金沢ひゃん・・・・・Gaad-byo!!☆・・・」 Good-bye、だ。間違いすぎな。 さよなら、昌子。 ―完― 戻る